Q&A (議会とは?)

質問 清瀬市議会の問題点は何ですか?

石川

議論がないことです。議論をしない議会というとブラックユーモアのようですが、議論は、議員と市長(行政職員)ばかりに留まっていて、議員間の議論はほとんどありません。
日本の地方自治制度は二元代表制で、議会と首長の機関対立主義をとっていますが、その本旨は「議員」対首長ではなく、「議会」対首長です。つまり、議会のなかでまず議員同士が議論し、「議会の意思」をまとめ上げたあとで、それを市長にぶつけていくときにこそ、議会は市長と対等に渡り合っていけるのです。

質問 市議会議員って目立ちたがり屋で自己顕示欲の塊のような人ばかりですか?

石川

それが、意外におとなしい人が多いのです。視察先で一緒に昼食を食べているときなどは法事のときの遠い親戚どうしのような雰囲気です(笑)。
ただ、心理学で言うところの「自罰型」「他罰型」で分類すると、「他罰型」の人がほとんどです。もともと何らかの社会問題に関わっていた人が社会を変革しようと政治に関心を持ち、立候補というパターンが多いので、自分の外側に問題があると認識するのでしょう。でもそれは政治家として必要な思考方法だと思います。だって、「世の中が住みにくいのは自分の心得が悪いからだ」なんて思ってしまったら、社会の変革なんてできませんから。
ただし、そうした他罰型の思考法の人が互いに被害者意識を持つと始末が悪く、郵便ポストが赤いのもアイツのせいだ…となりがちです。他の町の議会で子供のケンカのような話題がときどき報じられ、地方議会の評判を落としていますが、似た思考法の人が集まっているせいかも知れません。

質問 議会がまったく身近に感じられません。

石川

それは私たち議員にとっても悩みの種です。清瀬市議会でも議論の様子をインターネットで録画配信する試みが始まりましたが、どれだけの人が視聴しているか不安です。
議会の議論が身近でない原因はいくつかありますが、審査内容が幅広く、専門的過ぎることも要因です。条例改正では、国の法律の条文が改正され、引用条項の条ずれが生じたという理由だけで改正される条例もあります。市民生活には何の影響もないのですが、これを議決するのも議員の仕事です。また、住宅街ができて、そこを走る道路を市道に認定するといった、その地域に関係ない人には興味がないであろう議案もあります。
「一般質問」という議員個人に与えられた質問制度は、議員にとっては「見せ場」ですが、私の一般質問には「地方交付税制度における留保財源が市の財政に与える影響」とか「当市の基準財政需要額のうち生活保護費の算定結果は実態を反映しているか」とか「都市計画道路〇・△・□号線の沿道幅の規制の緩和」などといった用語がでてきますので、用語の概念が理解できないと、おそらく眠くなると思います。そんなことより、「〇〇の交差点にカーブミラーを設置せよ」とか「△△小学校の通学路にガードレールを設置せよ」といった質問の方がわかりやすいのは確かです。私の一般質問は住民に身近に感じられないのは確かですが、街の構造を変えていくためには絶対に必要な問題意識だと確信していますので変えるつもりはありません。
議会を身近に感じてもらうための試みはいくつかあります。議会の審議状況を住民に説明する議会報告会の取り組みが広がっています。これの実施を主張していますが、なかなか合意が得られず実施できていません。こうした議会改革は、党利党略があったら絶対に実現しません。まずは議員同士が胸襟を開いて、何が清瀬市議会の問題点なのかを語り合うことから始めるべきと考えます。

質問 不透明な政務活動費が問題になっています。

石川

同じ地方議員としてまったく腹が立ちますし、同列に論じられたくないと思っています。まず、金額ですが、清瀬市議会の政務活動費は月額1万円です。会派の活動レポートの制作費や、研修や視察に出かけるさいの交通費、地方自治関係の書籍などに充てています。余った場合はもちろん返還しています。清瀬市議会の規定は原則1円から領収書添付ですので、不正の余地はありません。

質問 サラリーマンに地方議員の兼業は可能か

石川

地方議員のなり手が少ないことから、サラリーマンでも兼業できるように土日や平日の夜に議会を開催する意見があります。幅広く人材を確保するには一つの案ですが、別の問題も生じます。
条例や予算を定めることは議員の仕事ですので、自治体の事務に関わる法令や制度について一定程度は理解していないと、地方議員は務まりません。日本の地方自治体の仕事の範囲は広いので、介護保険や都市計画などの制度に関する理解、それに財務諸表をある程度読みこなす能力も必要です。また、議員は住民と接する時間と同じくらい自治体職員と交渉する時間も必要です。平日の昼間の時間を確保できないと、地方議員の仕事は務まらないと思います。昼間にフルタイムで働いている人がそこまでできるのか疑問です。

質問 市議会と市議会議員の役割は?

石川

これからの市議会は、市長が提出する議案を承認するだけでなく、また市長に対し、あれをやれこれをやれと要求をするのではなく、議会の場で議員どうしが議論して、議会として、執行部の出す政策よりも、住民の目線からもっと優れた政策条例を提案できるだけの専門性を持つべきです。そのため、これからの市議会議員は昔のような名誉職では絶対に務まりません。
これからは福祉についても教育についても市の職員に負けないだけでの専門性を持ち、政策立案能力が要求されます。せめて4年間の任期の間は、兼業でない副業でない、専業の専門職議員であることが求められます。